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No.032:エネルギー(第16回)
燃料電池
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No.031:エネルギー(第15回)
氷雪冷熱
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No.030:エネルギー(第14回)
廃棄物燃料製造
No.029:エネルギー(第13回)
廃棄物熱利用
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No.027:エネルギー(第11回)
バイオマス
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No.026:エネルギー(第10回)
廃棄物発電
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地熱発電
No. 108 update 2006.07.07 PDF版(106.4 kbyte)
今回から「廃棄物」の問題について考えてみたいと思います.「廃棄物」のことを理解する上で不可欠な日本における物質フローの概要データ(出典:環境省)について考えてみたいと思います.国内物質フローの入口側自然界からの資源採取 18.6億トン 国内における資源採取 (11.7億トン) 海外における資源採取 ( 6.9億トン)製品等輸入 0.6億トン循環利用量(リサイクル) 2.1億トン---------------------------------------------------- 合計 21.3億トン国内物質フローの出口側輸出 1.2億トン新たな蓄積 11.2億トンエネルギー消費 4.0億トン食料消費 1.2億トン最終処分 0.5億トン減量化 2.4億トン自然還元 0.8億トン循環利用量(リサイクル) 2.1億トン---------------------------------------------------合計 23.6億トン*出口−入口の差は水分取込みに起因する物質量の増加に相当します.(出典:平成15年版環境白書) 日本において毎年投入される新規な資源等量(入口側の資源量)は概算で19.3億トンとなっています.内訳としては6.9億トン(約39%)が海外からの資源の輸入,11.7億トンが国内における資源採取,製品等輸入が0.6億トンが国内で毎年新規に投入される物質投入量です. これに国内における循環利用量2.1億トンを加えた21.3億トンが年間の総物質投入量です.すなわち日本における資源循環率は約10%程度ということになります. 一方、出口側としては、輸出が約1.2億トン,食料消費が約1.2億トン,エネルギー消費が約4億トンであり,その他の約5.9億トン(総物質投入量の28%)が廃棄物等として発生しています.その他の多くは,減量化,循環利用,自然還元等に処理されていますが,約0.5億トンは最終処分が必要となります. なお,国内に新たに蓄積される量は毎年11.2億トンで,これにより私たちの身の回りは物質で溢れることになります. 上記数値を見る限り,現状は「循環型社会」とはほど遠い状況にあることが容易に推測できます.したがって,今後のより具体的な方策による「循環型社会」への取り組みが重要です. 具体的に廃棄物量を削減する方策としては以下のような例が考えられます.(1)天然資源等投入量を削減する(2)投入資源が廃棄物となる割合を低減する(3)循環利用量を大幅に増加させる これらを実現するための対策の一つが「3R」と呼ばれる方策です.「R」の示すところは多種多様ですが,代表的な「R」としてはリデュース(Reduce);廃棄物発生やエネルギー消費の「削減」,リユース(Reuse);「再利用(再使用)」、リサイクル(Recycle);「再生利用」があります. 現在,最も熱心に取組まれているのが「リサイクル」で,「容器包装リサイクル法」,「家電リサイクル法」,「食品リサイクル法」,「建設リサイクル法」,「自動車リサイクル法」等のように種々の「リサイクル法」が制定,施行されています. これらは(3)の「循環利用量を増加させる」観点から重要な制度であり,実際にそれなりの成果が得られている,と考えられます. 一方,環境負荷を考えた場合,(1)の「天然資源等の投入量を削減する」の代表的な手法である「リデュース」の実践が,本質的な対策となるであろうことは想像できます. しかし,現実には「リデュース」の実施は容易ではない,と感じています.例えば原材料として輸入量を削減すると,この削減に対応して国内での加工量が低下します.自動車産業等の加工貿易を基盤産業とする日本で,加工量の減少は国富(付加価値)の減少に直結する問題であり,実現が容易ではありません. 国内の経済活動を考慮すれば,入口側の問題はできるだけ先送りして,出口側の問題に重点を置いて対応策を構築せざるを得ません.出口側対策の主役である「リサイクル」重視の政策は已むを得ない選択とも言えます. しかし,長期的な観点からは「リデュース」や「リユース」へと徐々に重点を移す方策への移行が不可欠です.特に昨今の原油等の天然資源価格の上昇は最大の不確定要素であり,今後,できるだけ加工量(原料や資源の投入量)は削減しながらより付加価値の高い製品化を実現することで,環境と経済を両立した本質的な循環型社会を目指す必要がある,と考えます.
[文責:スリー・アール 菅井弘]
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