No.002:将来の社会像(第1回)

将来の社会像(第1回)

No.001:発行にあたって

発行にあたって

No. 052 update 2003.10.01 PDF版(125 kbyte)

環境(第1回)

はじめに

 今回から「環境」をテーマとして考えてみたいと思います.
  
 メルマガ第2号で『現時点で「原子力」,「エネルギー」や「廃棄物」の問題をどう扱うべきかよく分かりません.一般論としては,「原子力に依存しない社会」,「ダムに依存しない社会」,「産業廃棄物処分場の建設反対」,「もっとリサイクルをしよう」等々の主張はある程度理解できるのですが,私たちは「木を見て,森を見ない」状況に陥っているような気がしてなりません.』と述べました.

 本メルマガの発行をはじめてから既に2年間にわたり「30年間の変化」や「エネルギー」について考えてきましたが,上記のテーマに関して何らかの具体的な回答を見つけることができた訳ではありません.もっと多くの事柄を考える必要がある,という思いは強くなりましたが・・・.そして,結論らしいものに到達できないことは今回の「環境」をテーマとして考えた後でも,恐らく大差がないものと思います.

 「エネルギー」や「環境」のように,あまりに複雑な問題は「最初から考えない」という選択肢もあるように思います.また,できるだけ対象を限定して「○○に依存しない社会」,「もっと○○しよう」等という目標を掲げることが,具体的な活動として多くの賛同を得るために必要なのかもしれません.

 しかし,本メルマガは具体的な事柄に対して皆さんの賛同を得るためのものではなく,『あまり明確な定義もなく「環境問題」と言っているけれど,一体何が,どのように問題なのか?』を自分なりにもう一度考えてみよう,という立場が基本です.

 私自身,世の中に紹介されているデータをもとにできるだけ具体的,客観的な視点から「環境」について考えてみたいと思います.今回も長いシリーズとなるかもしれませんが,読者の皆様ご自身でもお考えいただく上でのご参考となれば大変嬉しく思います.


 ところで,「環境」問題を考えるに際して,個人的に興味を感じた図書(必ずしも「環境」をテーマとしたものではありません)を下記に紹介させていただきます.既にお読みの皆さんは多いかと思いますが,あえて列記させていただきます.

H.D.メドウズ他,『成長の限界』, ダイアモンド社 (1972年)
シューマッハー, 『スモール イズ ビューティフル』, 講談社 (1973年)
エイモリー・ロビンス,『ソフト・エネルギー・パス』,時事通信社 (1979年)
レイチェル・カーソン著,『沈黙の春』, 新潮社 (1987年)
コルボーン他著, 『奪われし未来』, 翔泳社 (1997年)
ビョルン・ロンボルグ著,『環境危機をあおってはいけない』, 文藝春秋 (2003年)


『環境問題』をテーマにした図書は,「人間にとって大切な環境」を守ろうという感性を重んじる立場と,様々なデータをもとにできるけ客観的に「環境問題」を捉えようとする立場のものがあるようです.

 上記の中で最新の『環境危機をあおってはいけない』はなかなか興味深い図書です.600頁弱と非常に厚い本で,参考文献リストを見ているだけで頭痛がしそうなくらい「データ」を根拠にしたものです.

 『環境危機をあおってはいけない』に対しては賛否両論(サポートページ http://cruel.org/kankyou/ 参照)がありますが,「環境」をデータをもとに総合的に考えるという視点は,多くの人にとって参考になるものと思います.価格が4,500円というのが難点ですが,集めたデータ量からすると決して高くはないかもしれません.


 今後は,「環境」に関連する個別テーマを「データ」を踏まえて考えてみたいと思います.その際には,できるだけ中立な立場(特定の結論を目指してデータ抽出を意図的に行わないという意味)で「データ」を取扱うように心がけます.

 前述の『環境危機をあおってはいけない』において地球全体での議論が行われていますので,今回は身近な国内データを中心として「環境」を考えることにしていきたいと思います.


 ちなみに具体的なテーマとしては以下のような内容を考えています:

○国内の物質フロー
○地球温暖化
○大気汚染
○室内空気汚染
○水質汚染
○土壌汚染
○廃棄物処分と不法投棄
○酸性雨
○オゾン層破壊
○ダイオキシン
○PCB

○リサイクル−ペットボトル−
○リサイクル−アルミ缶−
○リサイクル−スチール缶−
○リサイクル−ビン−
○リサイクル−プラスチック−
○リサイクル−紙−
○リサイクル−電池−
○リサイクル−蛍光灯−
○リサイクル−生ごみ−
○リサイクル−家電−
○リサイクル−パソコン−
○リサイクル−自動車−

 
 恐らく途中で,様々なテーマを追加する必要がでてくるかとは思いますが,当面は上記の項目順に考えていきたいと思います.テーマにつきましては読者の皆様からのご提案も大歓迎です.今後とも本メルマガを宜しくお願いします.

[文責:スリー・アール 菅井弘]

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