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交通

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No.004:30年間の変化(第1回)

No.003:将来の社会像(第2回)

将来の社会像(第2回)

No. 042 update 2003.05.15 PDF版(17.6 kbyte)

エネルギー(第26回)

カナダ

 今回は,「カナダ」のエネルギー事情について考えたいと思います.

まず,カナダの基礎データは以下のとおりです.

人口             3,075万人(2000年)      (日本の約26%)
面積             997.61万km2       (日本の約26倍)
国民総所得        6,498億ドル        (日本の約14%)
1人当たりの国民総生産   2万1,130ドル(2000年)   (日本の約59%)
輸入額                 2,448億ドル(2000年)    (日本の約64%)
輸出額                  2,766億ドル(2000年)  (日本の約58%)
二酸化炭素排出量    15.3t/人(1998年)      (日本の約1.7倍)
自動車台数             1,701万台(1997年)     (日本の約24%)

(出典:集英社,世界情報アトラス2003)


参考データ1:    日本     中国          韓国    台湾      

人口        1億1,628万人 12億6,583万人 4,614万人  2.239万人 
面積        37.78万km2    960.78万km2   9.94万km2  3.62万km2
国民総所得     4兆5191億ドル 1兆629億ドル  4,210億ドル 2,692億ドル 
国民総所得/1人    3万5,620ドル  840ドル       8,910ドル  1万2,360ドル
輸入額            3,795億ドル   2,251億ドル   1,605億ドル 1,400億ドル
輸出額             4,792億ドル   2,493億ドル   1,723億ドル 1,484億ドル
二酸化炭素排出量  9.0t/人       2.5t/人       7.9t/人   - 
自動車台数        7,003万台     1,283万台   1,043万台   522万台

参考データ2:   アメリカ        

人口        2億8,142万人
面積        962.84万km2
国民総所得     9兆6,015億ドル
国民総所得/1人    3万4,100ドル
輸入額            1兆2,576億ドル
輸出額             7,811億ドル
二酸化炭素排出量  19.9t/人
自動車台数        2億1,549万台


カナダを含む各国の一次エネルギー消費構成は以下のとおりです.

      カナダ   アメリカ 日本    中国    韓国

石油    35.8    39.4   49.6    30.1    53.0
石炭    12.6      19.3   63.8    22.3    25.0
天然ガス  30.2      13.4    3.0     9.8     24.7
原子力   8.1        16.1    0.6     14.6    7.6
水力    13.3        1.5     2.5     0.3     2.6

(出典:BP統計(2001))


 カナダは石炭,石油,天然ガス等のエネルギー資源に恵まれており,国内需要を満たすだけでなく米国を中心に輸出されています.以下に主なエネルギー消費国のエネルギー自給率と,カナダにおけるエネルギー源別の自給率を示します.エネルギー自給率が100%を超えている場合,超えた分は輸出にまわされていることになります.


各国のエネルギー自給率(単位:%,1999年)

       原子力含む  原子力除く
      
カナダ    152      - 

アメリカ   75      65
日本     20      4
中国     95      95
韓国     17      3
ドイツ    39      26
フランス   50      10
イギリス   123      112 


カナダのエネルギー自給率(1999年)

全エネルギー自給率  152(%)(原子力は国産エネルギーとして計算)
石油自給率      142
石炭自給率      141
天然ガス自給率    206


 カナダのエネルギー自給率は極めて高く,エネルギー輸出国であることが容易に理解できます.しかし,石炭資源は数10年分ありますが,石油や天然ガスは10年分程度であり,高い自給率が今後も続くとは必ずしも言えない状況にあります.


石炭埋蔵量(2000)と生産量

        2000年可採埋蔵量  1999年生産量
        (単位:10億トン)   (単位:百万トン)

カナダ     9                  37
アメリカ    47           91
日本      1                  4
中国      115           1029

(出典:石炭エネルギーセンターホームページ http://www.jcoal.or.jp/)


原油確認埋蔵量・可採年数(1999年末)

            確認埋蔵量    可採年数
           (億バレル)    (年)

カナダ     64             8.5 
アメリカ    297            10.4

(出典:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/energy/pdfs/toukei_b_1.pdf)
(出所:BP Statstical Review of World Energy(2001))


天然ガスの生産量・埋蔵量(2000年)

       生産量   埋蔵量     可採年数
       (10億cf)

カナダ     7,082    61,010     8.6 
アメリカ   20,069   167,406    8.3 

(出典:Oil&Gas Journal)


 カナダの電源構成は以下のとおりです.カナダでは発電に適した河川が多いことから,歴史的に水力を中心とした開発が行われています.1950年に時点での水力発電の比率は95%に及んでいましたが,1970年代の石油危機以前は,火力発電設備が建設されるようになり,石油危機以降は原子力発電が開発されるようになりました.
 

      電源構成比率(%)

水力    59.9
石炭    19.0
原子力   12.7
天然ガス  4.5
石油    2.6
その他   1.3

(出典:http://www.jnc.go.jp/park/front/jnc_data/data/can_index.htm#gen_fuel)


 (財)日本カナダ教育文化交流財団(JACEF)のホームぺージによると,カナダがエネルギー確保の問題と環境問題に対してエネルギーの効率的利用により解決する方向で取組んでいることがわかります.

 具体的には,カナダ連邦政府は1992年に「効率と代替エネルギー(EAE)プログラム」を開始しました.このプログラムは,エネルギー効率の最低基準を設け,省エネ製品の使用を促進するために商品には省エネ・ラベルを貼ることを要求しています.また,省エネ効果の高い技術や製品の採用を奨励しています.

 カナダのようなエネルギー資源に恵まれた国でさえエネルギー使用の効率化に取組んでいる姿は,エネルギー資源をほとんどもたない日本にとっても学ぶべき点が多いように思います.

[文責:スリー・アール 菅井弘]

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