No.102:風力発電(第2回)

風力発電(その2)

No.101:風力発電(第1回)

風力発電(その1)

No.100:年始のご挨拶(2006年)

「年始にあたって」

No.099:水素エネルギー・燃料電池(その4)

燃料電池

No.098:水素エネルギー・燃料電池(その3)

水素の製造

No.097:水素エネルギー・燃料電池(その2)

水素エネルギーの位置づけ

No.096:水素エネルギー・燃料電池(その1)

水素生産および需要の現状

No.095:バイオマス(第7回)

バイオマス利活用例(3)

No.094:バイオマス(第6回)

バイオマス利活用例(2)

No.093:バイオマス(第5回)

バイオマス利活用例(1)

No. 103 update 2006.02.22 PDF版(101.7 kbyte)

風力発電(第3回)

風力発電(その3)

 今回は「風力の資源量」について考えてみたいと思います.

 風力発電の資源量は大きく,開発可能な量だけで人類の電力需要を充分に賄えるとされ、日本でも軽視できない量が開発可能であると推定されています.

 世界全体では少なくとも約72TW(テラワット)が風力によって発電可能とされています.これは世界全体の電力需要量 (14TW) の約5倍に相当します. 

 また,日本の陸上で発電可能な量は総発電量の7〜10%と言われています.この計算結果は風車の高さに大きく影響され,小型の高さ40mの風車では風が弱いために2〜3%程度となりますが、最近の大型の風車を仮定し,高さ100mの風車で計算した場合では倍以上となります.

 洋上(オフショア)発電まで考慮すれば、潜在的には20〜30%程度まで可能という指摘もあります. 

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)が1990-1993年に実施した日本全国の風況調査結果に基づく試算では,日本の風力発電能力は、最高35百万kWと試算されています.

 この調査は,AMEDASデータ等を基に,風力発電の有望地域を明らかにしたものであり,風車建設のシナリオを3種類設定して,能力500kW級の風車の設置可能台数を算出しています.

 調査結果として,一番楽観的なシナリオ(道路の建設無しで風車建設可能等の条件)を別としても,シナリオ2,シナリオ3では,最大35百万kW,最小1.4百万kWの風車建設が可能としています。

(出典:http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/foreigninfo/html9908/08229.html)

 また,科学技術庁資源調査書の報告によれば,全国の海岸線のうち6,000kmに高さ100mの風車を設置すれば,年間30億〜300億kWhrのエネルギーが得られると試算しています.

 さらに,日本の外洋に面した洋上を利用すれば,3km範囲内の利用で500kW級風車を想定した設置容量が約2億kW、約2,800億kWhrの発電量となるとされています.

(出典:http://www.jca.apc.org/~gen/wind.htm)


 ここで,日本国内の主要10電力会社における需要電力量を以下に示します.

     需要電力量(億kWh)

1990年度 6,589
1991年度 6,792
1992年度 6,857
1993年度 6,905
1994年度 7,400
1995年度 7,569
1996年度 7,746
1997年度 7,914
1998年度 7,989
1999年度 8,169
2000年度 8,379
2001年度 8,240
2002年度 8,414
2003年度 8,343
2004年度 8,654

(出典:電気事業連合会ホームページ)


 これらの数値をもとに考えると、陸上のみを対象とした風力資源量は国内需要電力量の5%も補うことができませんが,海上における風力資源量を考慮すると1/3程度にも達する膨大な資源量ということになります.

 風力資源を国内の基幹電力源にまで成長させることは決して容易ではありませんが、資源量的にみた場合には、補完的な電力供給の役割を果たすことのできる可能性は高いと考えます.

[文責:スリー・アール 菅井弘]

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